シラカバ花粉恐るべし!北海道・札幌の風土病「口腔アレルギー」

アレルギーでフルーツを食べられない札幌民が多いのは、札幌に多い樹木のシラカバのせい!
リンゴやサクランボは遠慮して:

「今年はえ〜え梨がたくさんとれたから、札幌の孫にもたくさん送ってやんべえ」
こんな気軽な行為が、かな〜り気まずい結果に終わってしまうおそれがある!
札幌(北海道)は、地元特有の食物アレルギーを発症している住民が、たいへん多いのです。
これマジ風土病と言いたくなるほどの、けっこうな蔓延率。
かくいうワタクシメも、北海道育ちではないのに、札幌移住わずか数年目にしてこの ”風土病” に染まってしまいました。
難治性です。
いったんかかるとたいへん治りにくい。
一生このままである可能性が高いのだ。
その ”風土病” とは、果物アレルギー。
ナマのバラ科果実を食べると、「口腔(こうくう)アレルギー」が出て、口や喉やナンヤカヤが、かゆかゆーっ!うずうずーっ!くわああ腫れ上がりーっ!になってしまう。

(この稿は、2012年6月に旧ブログに記したエントリの復刻です)

スギ花粉より多い「シラカバ花粉症」
原因は、札幌に多く植えられている樹木「シラカバ」の花粉。
シラカバは、内地(本州方面)ではあまりお目にかかれない樹木種だよね。避暑地的な高原や高山など、冷涼な気候の場所でなら、お目にかかれる樹木「シラカバ 白樺」。
北海道は、内地で言う「冷涼な高原」的な気候でありまして、町のいたるところに、公園にも山にも、シラカバがたくさん生えている。

「シラカバ 白樺」の花は、すっごく地味な姿をしている。
この地味な花がまた、あなどれない。
シラカバは、スギみたいな「風媒花」の植物でして、たくさんたくさん今頃の季節(5〜6月)に、風で花粉をお飛ばしになる。
北海道は道南の一部をのぞき、スギ花粉が非常に少ない地です。ただ、北海道特有の「シラカバ花粉症」はあります。
例年だと、飛散期間は4月中旬から6月はじめで、ピークは5月の前半。
また、時間帯では、昼過ぎと夕方の飛散量が増えるため、仕事が終わるころには、朝よりも症状が悪化してしまいます。
ピークが2回なのは、花粉の元になる雄花が夜の間は閉じ、日中、気温が上がるとともに開いて花粉をばらまき、13〜15時に最も多くなり、日が暮れて気温が下がると、空気の流れが下向きになって、日中舞い上がった花粉が降りてくるからです。
〜 菅井貴子 著『なるほど!北海道のお天気』 p20
だけど、たまに観光に来る程度なら大丈夫だろうけれど、札幌に何年か定住してしまうと、今度はシラカバ花粉症を発症してエライ目に陥るかもしれないのである。
シラカバ花粉症は、スギ花粉よりおっかない。
シラカバのせいで、ナマのフルーツが食えなくなったりするんだ。


シラカバ花粉症で果物アレルギーになる人々
そこはもう、全然スギ花粉の比じゃないです。
いったんシラカバ花粉にアレルギーになってしまうと、そのぶん連鎖反応っぽく「あれも!これも!」と身体がアレルギー反応を起こす対象がどんどん増えていってしまう。
特にバラ科植物の成分に連鎖反応しやすくて、シラカバ花粉症になると、いろんなフルーツがどんどん食えなくなってしまう恐れが!
最もアレルギーが出やすい御三家
リンゴ
モモ
サクランボ
進行すると、こんなのも食えなくなるおそれがある
ナシ スモモ(プルーン/プラム)
メロン キウイ イチゴ ビワ パイナップル
スイカ トマト ナス バナナ マンゴー・・・
(果物アレルギーに進行せずに済む人もいます)
かゆかゆーっ!
うずうずーっ!
くわああ腫れ上がりーっ!
の「口腔アレルギー」を発症してしまう。
生で食べなくても、リンゴ切ったあとにうっかり果汁のついた手で目をこすったりしたらエライことになります。
というか、なりました。
【追記:大豆にまでアレルギー発症が及ぶことがあります。特に「豆乳」が危ない。
また、大豆アレルギーは時間差攻撃をかますというか、大豆を食べた数日後(!)に体調が悪くなるという遅延型フードアレルギーを起こしたりするので、ダイズが原因だとはわからずにしんどい思いをし続けるハメになったりします】
自分が何のアレルギーを持っているのかは知っておいたほうがいい ↓
過去何度か手術をして、麻酔切れた後、いつも酷い頭痛と嘔吐があった私。ある時足の手術をするにあたり「醤油でアレルギー出る事がある」と医師に話すと「麻酔薬は大豆成分使ってるんで、別の麻酔使います」と言われ、その時は術後嘔吐一切無し。手術する人、些細なアレルギーも伝えた方がいいですよ。
— 松藤美香 (@mikarin_tokyo) 2018年5月1日

どのくらい風土病状態なの?
●数年前の北海道新聞による調査:道民の12.6%が花粉症。
●札幌を含む道央圏は、全花粉症のおよそ50%をシラカンバ花粉症が占める。
●札幌市の人口190万人、シラカンバ花粉症患者の中で口腔アレルギーを発症する割合が40%とすると・・・
札幌市のシラカンバ花粉症は10万人
札幌市の口腔アレルギー患者は4万人 と出る。(どんぶり勘定)
●札幌市は(シラカンバ花粉症由来の)口腔アレルギー患者が日本で最も多い街だろう。
〜 札幌市医師会市民広報『健康さっぽろ 第27号』
札幌人の40人に1人は、なまのフルーツがダメな口腔アレルギー持ち。
シラカバに縁が薄い内地では、これはありえない高率。
ということで、わたくしとしては、この「口腔アレルギー」なるものを、
札幌(北海道)の風土病と認定していただけるよう、
国民の皆様に、
こ こ に 強く訴えたいのです!
( 単なる『怒り新党』の見過ぎ

(この稿は2012年に旧ブログに記したエントリの復刻です)


シラカバは、ヨーロッパでは北欧に多く自生しています。なもんで、北欧スカンジナビア半島の、ノルウェーとか、スウェーデンとかフィンランドとか、あのへんでもシラカバ花粉症とか口腔アレルギー症候群とかは多いんだそうですにゅっと。
ドイツでも白樺アレルギー、猛威をふるってます。こちらでは街路樹や庭木にも白樺があるので、この時期ひどいものです。(泣き) https://t.co/VXpAkmYlaw
— Lucky☆来福! (@j6_6adore) 2016年5月4日

ダメなフルーツも、加熱をしたら食べられるかも
まだイチゴ、キウイ、バナナとかには反応しないんで助かってますけど、これダメになったらもっとキツいですね。
進行するとそのうちイチゴもキウイもトマトもバナナも食えなくなるのか!?とかビビり中ですが、でも、アレルギーは治せなくても、工夫次第でアレルギー出さずに食べることは、できる。
アレルギーを引き起こす原因タンパク質は、熱に弱いんだそうです。
だから、ジャムとか、パイとか、ホットケーキとか、熱を通せば安全に食べられる。
リンゴ箱でリンゴもらったら、毎日「焼きリンゴ」ですね

あと、アップルパイとか、スリリンゴのホットケーキとか。
林檎と蜂蜜のカレーも無問題。んまー。
市販のフルーツジュースは電子レンジでチンします。
「市販のフルーツジュースは濃縮還元だから加熱されてるんじゃないかな」と思って調べたら、最近は煮詰めないのか。ならアウトだ。こわ!
— Pスケ (@Pf_Skater) 2016年5月4日
https://t.co/VNNDVwCWb6
レンジでチンしましょうね。
『知っていますか?花粉食物アレルギー』
— 科学に佇むサンクコスト (@endBooks) 2020年3月28日
NHK@首都圏https://t.co/UIPc9583ot
シラカバ花粉症では豆乳、もやし、りんご、モモ、さくらんぼ、ジャガイモ(!)…に注意
加熱すれば食べても大丈夫
【音声配信は2020/4/24まで】NHKラジオhttps://t.co/tbQqIVQLb0 pic.twitter.com/NktkmKuZHj

札幌の給食にはビワは出ない
アレルゲン(アレルギー物質)の中で、発症しやすいわけではないけれど、発症すると重症になりやすいものとして、「ビワ」があるようです。
6月、札幌市内の小学生4人が同医院を相次いで受診した。4人とも給食を食べた直後にせきやじんましん、結膜炎などの強い食物アレルギー症状が見られた。
原因はびわだった。
「これまで、びわアレルギーはさほど多くないと言われていた。昔では考えられなかった食べ物にアレルギー反応を起こす子が目立つ」
〜増える食物アレルギー 子どもたちの今
2008年 北海道新聞
(この北海道新聞記事のURLはリンク切れになりました http://www.hokkaido-np.co.jp/cont/health_news_tokushukiji/34845.html)
2010年から、学校給食に「ビワ」を出さなくなった
とのこと。
…それはいいけど、なんで北海道ではレアなビワが給食のデザートメニューに載ってたんだか。
札幌で売ってるビワは高価いじゃん。

以上、 2012年6月に旧ブログに記したエントリ を、2015年5月2日に復刻(転載)したものです。
以下は追記
●喉が腫れて、息ができなくなるなど、命にかかわることもあります。
知り合い(札幌在住20数年)は、リンゴを食べて呼吸困難を起こし、救急搬送されたことがある。本人曰く、「死ぬかと思った」 >前公式RT
— シルミオシイアル (@silmioseaaru) 2015, 5月 2
●花粉関係なく、世の中には「果物を食べたら死ぬかもしれない」ケースがよくあることは知っておいたほうがいいでしょう。
こういう果物系のアレルギーの患者は割といます
— みこちそ (@mikotisoZ) 2016年4月23日
私は口の中が痒くなるから食べない!と訴えていたのですが「アレルギーはもっと蕁麻疹が出たり倒れたりするものだ!好き嫌いは許さん!」と給食指導で言われた事があるのであまり知られてないのかな? pic.twitter.com/Fhh5lNYVae
●果物アレルギーは、「ゴムアレルギー」のサインだったりするようです。
@endBooks 仕事で、アレルギーの有無を聞くのですが、マンゴーやキウイ、バナナのアレルギーの有無を必ず確認します。「なんで?」って聞かれるけど、こーゆー人は天然ゴムにアレルギーが出るので、一部の手術用手袋でアレルギーを起こすおそれがあるのです。知られていないだけ。
— ひだまりこたつ (@hidamarikotatu) 2015, 5月 2
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